リハビリより

25.08.23 / スタッフのつぶやき / Author:

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暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

病院の前では工事が行われており、外で働かれている方は凄いなあと思いつつ、日々臨床業務に励んでおります。

たまに業務で外へ出るのですが、普段冷房のもと働いているため短時間でも心が折れそうになります。

そんなある日、太陽がギラギラとした午後二時、天気は晴れ。訪問リハビリに行くためドアを開けると

「なんか涼しい・・」

 

知らぬ間に公用車に向かう動線にミストシャワーが!

 

その日、暑くて少し憂鬱だった気持ちが、晴れ晴れとしました。

心遣いに感謝です。

 

 

こんにちは、音楽のMです。私は入職してちょうど1年が経ちました!
音楽療法の知識や技術はまだまだですが、今やっと、色んなアプローチを考えたり、これがしたいなと考えたりするようになりました。そんな私が得意としているものが、和声学とソルフェージュであり、得意としている方法が楽器を用いた活動です。
“経験したことないような楽器”に触れることを喜ばれる方も多く、楽器の体験自体が、動作のモチベーションになる方はたくさんいます。また日常生活でその人が発揮していない力を、楽器がモチベーションを高めてくれることで『こんなに腕をのばせたんだ!』『こんなに力を持ってたんだ!』と発見できることがあります。

そこで今回は、私の音楽療法で使っている楽器と使い方、実際の患者様の反応を紹介します。

♪ハンドベル(ミュージックベル)

とっても使いやすく、特に12人以上の集団で重宝する楽器です。
メロディーを役割分担して奏でる【メロディー奏】。注意力を要し、認知症予防の方でも活用できます。演奏中はみなさん必死で険しい顔つきですが、終わると一安心したのか、どっと笑いが起こったり、口々に感想を言い合ったりされます。
曲の伴奏(和音)をグループに分けて演奏する【コード奏】では注意力もですが、達成感や帰属感をより強く味わっていただけているようです。個別セッションでの使用時は、自由奏で、即興の伴奏を付けています。

♪卓上ベル(ベルハーモニー)

こちらは、机や台などにおいて使用します。ハンドベルは、ベルを握る力と勢いをつけて手首を振る力が必要ですが、こちらの卓上ベルは、カタカナが書いた部分を上から叩いて鳴らすだけ。バチで叩くものより、直接手でたたく楽器の方が身体への刺激は強いため、私は覚醒exや、認知機能の訓練時に多く使用させていただいています。
ちなみに、この並べ方にもちゃんと意図があります。何だかわかりますか?

音階のある楽器全般にいえることは、達成感をしっかりと感じやすい反面、しっかりと失敗する可能性もあります。失敗を感じないように、どの音を使うのか、どこに置くのか、誰に何の音をいつ渡すかに配慮していきます。集団のコード奏であったとしても、こちらが意図的に渡しています。
知らないけどなんかできた感覚は、『音でマジックをしている』。そんな感じでしょうか。仕掛けがあるんですよ。



♪締め太鼓(小)

見た目からして、かっこいいですよね。地元の秋祭りの流しで、着物を着て叩いたなあ~。軽くたたけば「とんとん」、はっきり叩けば皮の「パリっ」とした音がします。「いや、やったことない…」と遠慮がちな患者様も、慣れてくると叩き終える所作や表情が変化していきます。自信をもててきていることや自己表現をしやすくなっていることを、患者様自身も実感しやすい楽器なのかなと思います。

♪パーランク

沖縄の楽器で、エイサーでよく見かける楽器ですよね。パーランクのいいところは、音の発音がすっきりしていることと、持ち手があることです。どこに持ち手があるかというと…

裏側ですね!これは、差し出し奏にとても役に立つんです。さすが、踊りの時に(動きながら)使う楽器ですね、落としにくいし差し出しの時に痛くない!笑 療法士側にとって、優しい楽器です。笑


最後に、少しテイストが変わって ♪さざなみドラム

こちらはサウンドヒーリングの分野かと思います。さざなみドラムは、音の立ち上がりとしては柔らかいのに、とにかく響きが豊かなんですよね。倍音がものすごくきれいに鳴ります、音が止んだ後の(心の?)余韻も、かなり長く感じられると思います。初めて聴いた時には衝撃でした。和歌山県の職人さんが一つひとつ手作りで作ってくださっています。ピッチまでオーダーできます。

病棟で鳴らしていると職員さんから、「なんだろう…めっちゃ眠たくなる」「なんか…不思議な音ね」「それは…どういうこと…?」など、みなさん“……”を含んで話されます。
残響時間の長さ、なんと12~15秒!そのため、既成曲ではほとんどの曲で濁りが生じてしまいます。さざなみドラムを音楽療法で使うときには、律音階で作ったさざなみドラム用の自作の曲を弾くようにしています。

ひとつの楽器でも、色んな目的で使用できます。「楽器を使用したから音楽療法」「音楽療法士が音楽を使ったら、音楽療法になる」は必ずしもそうではありません。

ただその活動において、その音楽療法士の質や、患者様にどう向き合っているかが表れる。

そこが、面白いところであり、やりがいであり、私を成長させてくれるものになっています。患者様の感性や価値観を大切にできる職員になっていきたいですね。

のびしろいっぱいの私、がんばれ!!!!

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