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🦠 脱腸(鼠経ヘルニア)

🩺 どんな疾患?

脱腸(医学的には鼠経ヘルニア)は、太ももの付け根(鼠径部)が腫れるという症状の中で最も多い原因です。腹膜や腸の一部が筋肉の隙間から皮膚の下へ出てくる状態で、「腸が飛び出したように見える」ことから「脱腸」とも呼ばれます。

🔍 主な症状と経過

鼠径部の**ふくらみ(腫れ)**が立っている時に目立ち、横になると戻ることが多いです。

強い痛みはまれですが、違和感や軽度の痛みを伴うことがあります。

腫れが戻らず、持続的に痛む場合は「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる緊急状態で、早急な受診が必要です。

 

🧪 診断方法

触診である程度の診断は可能ですが、より正確を期すためにCT検査超音波検査を行っています。特にCTはヘルニアの位置・大きさ・内容物の確認ができ、治療方針の決定に役立ちます。

💊 治療について

鼠経ヘルニアと診断された場合、根本的に治療するには手術を行うしかありません。手術は現在は人工物(メッシュ)を体内に埋め込むことで脱腸の通り道をふさぐ方法が一般的です。体表面から行う手術と腹腔鏡を用いて内側から行う手術があります。

 

以前勧められていた膨らみを抑える”ヘルニアバンド”は、治療効果はなくむしろ陥頓のリスクを高めることすらあるとして現在推奨されていません。

💊 経過観察(様子見)することも

鼠経ヘルニアは無症状〜軽症で経過することも多く、すぐに手術が必要とは限らず、高齢者や基礎疾患が多く手術リスクが高い場合や日常生活に支障がない場合には「経過観察」を選ぶことがあります。ただし、突然に嵌頓(かんとん)するリスクがあるため診断を受けておくことと、注意が必要です。

🏥 当院での対応

月~金曜日に診察・診断が可能です。外科・総合診療科が対応します。

当院では全身麻酔を行うことが難しいため、手術が必要な場合には、多くの場合専門医療機関をご紹介します。