新型コロナウイルスのワクチンについて

22.02.21 / 薬局だより / Author:

新型コロナウイルスのワクチンについて

 

ヒトに感染するコロナウイルスは、これまで6種類知られており、そのうち4種類は風邪症状を引き起こします。

残りの1種類は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を起こすもので、もう1種類は中東呼吸器症候群(MERS)を

起こすものものです。新型コロナウイルスは、ヒトに感染する7種類目となります。

3月から日本でも接種が始まるといわれています。ワクチンについて簡単にまとめてみました。

 

【生ワクチン】

「弱毒化ワクチン」とも呼ばれ、実際のウイルスの中から毒性の弱いものを選んで増やしたものです。

効果が高いものが多く、はしかや風疹などのワクチンがこの種類です。

 

【不活化ワクチン】

実際のウイルスをホルマリンで加工するなどして、毒性をなくしたものを投与するワクチンです。

インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどがこの種類です。

 

【VLPワクチン】

ウイルスそのものは使わず、ウイルスの表面に出ている突起の「スパイクたんぱく質」を人工的に合成したものを

投与します。

「スパイクたんぱく質」は、ウイルスを攻撃する抗体の目印となり、投与すると人に備わっている免疫の働きに

よって抗体を作り出します。

 

【組み換えたんぱく質ワクチン】

VLPワクチンと同じで、「スパイクたんぱく質」を遺伝子組み換え技術で作って、投与するものです。

投与すると体内でウイルスを攻撃する抗体をつくりだします。

 

【mRNAワクチン】

ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」を作るための遺伝子情報を伝達する物質が「mRNA」です。

人工的につくって注射すると、体内で「スパイクたんぱく質」が作られ、免疫の働きによって抗体が作られます。

これまでは実用化されていなかった新しい技術で、開発にかかる期間が大幅に短縮できます。

アメリカのファイザーが作ったワクチンがこの種類です。

 

【DNAワクチン】

ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」のDNAを人工的に作り出して、接種します。

体内で細胞の中の核に入りmRNAを作り出し、そのmRNAのよって「スパイクたんぱく質」がつくられ、

抗体が作られます。

大阪大学が作っているワクチンがこの種類です。

 

【ウイルスベクターワクチン】

ウイルスの「スパイクたんぱく質」を作る遺伝子を、無害な別のウイルスに組み込んで、そのウイルスごと

投与するワクチンです。

アストラゼネカのワクチンはこの種類です。

 

3月から医療従事者などを対象に始まるワクチンはファイザー社のものです。

アレルギーがない人はできるだけ受けましょう。集団感染予防のために必要です。

 

 

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