薬局だより

14.09.19 / 未分類 / Author:

脱水症について

まだまだ暑い日が続いています。今日は脱水症についてミニ知識です。脱水症は体液の量が正常範囲を超えて減少した状態です。

【体液量】

小児で体重の約70%、標準的な成人男性で約60%、成人女性で約50%、高齢者で約50%といわれています。

体液は主に筋肉に存在し脂肪にはほとんど存在しません。そのため、脂肪の多い肥満の方は、標準的な体形の方よりも体重に対する体液量の割合は低くなります。また、高齢者では加齢による筋肉量の減少に伴い体液量が低下します。

【体液の役割】

体液は、栄養素や酸素の体内への運搬や、老廃物の体外への排出、細胞内でのエネルギー産生とたんぱく合成のほか、汗や尿として排出されることによる体温調節などの役割を担っています。人体は体液の働きにより生体の恒常性が維持されています。こうした体液の働きには、ナトリウムイオンやカリウムイオン、リン酸イオン、クロールイオンなどの電解質が重要です。細胞外液にはナトリウムイオン、細胞内液にはカリウムイオンが最も多く存在し、主にナトリウムイオンの影響を受けた血漿浸透圧(張度)により、細胞内外の水の移動が規定されます。

【水分の出納バランス】

健康な状態では、尿や便、汗だけだはなく、呼気や粘膜、皮膚から意識しないうちに失われる不感蒸泄をあわせて、成人では1日に約2500mLもの水分が失われます。その一方で、食物から1000mL、飲料から1200mLの水分を摂取し、さらに栄養素の代謝の際に生じる代謝水として300mL程度が産生されることで水分の出納バランスを保っています。しかし、激しい運動や暑熱環境下、発熱などによる発汗量の急激な増加や、下痢や嘔吐による体液喪失量の増加、飲食による水分摂取の著しい低下、薬剤摂取による影響などにより、前述の調節力をもってしても是正できない範囲となると、水分のINとOUTのバランスが崩れ脱水症となります。

【脱水症に伴う兆候の特徴・小児や高齢者で特に注意】

脱水症で出現しやすいのが、脳、消化器、筋肉の症状です。脳の水分が枯渇すると立ちくらみや頭痛、集中力低下、意識消失がみられ 消化器の水分が低下すると、食欲低下や悪心、下痢、便秘といった症状が見られます。筋肉では筋肉痛やしびれ、麻痺、こむら返りなどの症状がみられます。また、小児や高齢者では、脱水症の症状に伴う兆候に特に注意が必要です。小児では諸症状の発現を言葉で表現することができませんので、急に元気がなくなる、機嫌が悪い、食欲がないという様子が観察されます。高齢者では、認知機能や記憶力の低下、日中に眠くなるなど生活リズムの変化、突然暴れたり大声を出すといった症状が出現することがあります。

【経口補水療法で体液補正を行う】

脱水症の治療では、経口摂取が不可能な重症例では、水分補給輸液剤や、等張性電解質輸液剤、低張性電解質輸液剤などの静脈内投与を行いますが、経口摂取が可能であれば経口補水液を用いた経口補水療法で体液の是正を行います。

【脱水症の負のスパイラルを断ち切る】

脱水症が発生すると、血液の水分量が低下し心血管疾患のリスクが高くなります。また、消化器への血流不足や、口腔・鼻腔・機関紙粘膜の粘液量減少などから、感染症に罹患しやすくなります。体液のバランスの是正は、様々な疾患を治療する際の前提とも言えるかもしれません。

脱水症は初期の段階で発見し正しい方法で治療しましょう。

Comments: 0

Leave a Reply

« | »