演奏者の孤独 (2)

21.01.14 / 演奏者の孤独 / Author:

連載です。

私が中学1年生の、あの夏のことはほんとうに忘れません。 最近の夏よりは熱くなかったように思いますが。 夏休み中の4階音楽室の暑さ、友達とブルーベリーガムをちぎって分けて噛んでたのを柴田先生に見つかり、というかにおいがするといってばれてしかられ、その頃は不良が流行ってて、みんなブルーベリーガムだった。 今でもそのにおいがその場の雰囲気とともに思い出される。 そして練習の後、直行でプールに行かされ、夏のプール実習だったか宿題であったか、吹奏楽部員は一斉にプールで泳ぎ出席簿や記録をつけられていました。 思春期に突入するころでした。 吹奏楽での演奏曲は 大草原の小さな家、YMO メドレー、ミッキーマウスのテーマ などでした。

ところで、その当時、好きな曲はレコードをかけて聴いていましたが、レコードって知ってますか? シングルって知ってますか? 現在では CD かMP3 ファイルで パソコンや i- pod とか、digital file  になってますが。 私は、というか私の兄弟は、フィンガーファイブ、キャンディーズ、ピンクレディー、沢田研二、アリス、ゴダイゴなどのシングルレコードを結構たくさん持ってました。 私の家でこれを再生するプレーヤーは、茶色の、40×30 cm くらいの大きさの外装プラスチックのやつで、シングルをセットして(レコードを回転盤に乗せて)、回転スピード44か33(?)か選択して回転スイッチを押して自動回転させ、手動で針のアームをレコードの最初のふちにおろして、アナログ・モノラルの曲を聴く。 これが音楽の基本。 であったと、大きくなってから思いました。 その当時は、シングルレコードの扱いには特に気がねなく思ってまして、弟が、行くぞって言って、フリスビーみたいに平行にクルクルって 投げてくるんで、それを私が両手で パッと 受けるんですが、 レコード盤に傷がつくなどという感情は全くなく、ただ、落として割れるのは困るくらいの感じでした。 まあ、再生しているとぶつっていって針が飛んで、着地すると音楽が途切れたりだいぶん進んでたり、逆に戻ってしまう場合 endless になったりするなあ とわかってはいたんですが。 ところが、LP レコードっていう大きな直径のレコードがあるって知ったのです。 また、stereo っていうレコードが発売されるようになっていたんです。 これはかなりの culture shock でありました。

つづく

 

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