薬局だより

24.10.18 / 薬局だより / Author:

風疹 (いわゆる「3日麻疹」) について少し調べてみました

最近何かとテレビを騒がしている風疹、感染者も増えていると聞いたので少し調べてみました。

風疹は、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどを特徴とするウイルス性の感染症です。症状は不顕性感染 (症状がでないもの) から、重大な合併症併発まで幅広く、症状のみで風疹と診断することは困難な疾患です。

風疹に罹ったことが無かったり、ワクチン接種していなかった等の理由で、妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群(心臓に病気があったり、耳が聞こえづらい難聴という病気など)という重大な病気を発症する可能性があります。

男女ともがワクチンを受けて、まず風疹に罹りにくい体(免疫)を作る、特に女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが大切です。

日本ではワクチン接種が、男女幼児が定期接種の対象(国の補助金で自己負担なしでワクチンが受けられる制度)になってから、大規模な全国流行は見られなくなりましたが、2004年に、約4万人ともいわれる流行があり、話題となりました。日本ではワクチン接種が自己負担なくできますが、そのほかの国ではそうでない場合もありますので、海外に行かれる方はご用心です。

感染からほぼ2~3週間の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後頭部、頚部)が出現しますが、発熱は風疹患者の約半数程度で、不顕性感染が15~30%程存在します。また同じような症状の感染症もありますので、見た目だけで診断は困難です。確定診断のためには検査が必要です。おかしいなと思ったらすぐ病院・医院で診察を受けましょう。

写真1. 風疹による発疹(成人)。          国立国際医療研究センター忽那医師提供 写真2. 耳介後部リンパ節の腫脹が見られる

 

昔から風疹は、1回罹ったら大丈夫ということでしたが、最近では子供のころ罹ったことのある人でも50歳~60歳位になると、抗体価と言って風疹に罹りにくい力が減っているという報告もあります。どうもワクチン接種や病気に罹ったことで、感染を遮ってきたからだのしくみ(免疫)が年を追うごとに弱くなっている傾向があるということらしいです。ご心配の方はかかりつけの病院・医院で風疹の抗体価を図ってもらうとよいと思います。また、麻疹やおたふく風邪等も同じようなことが言えるようですので、気を付けましょう。気になる方は、かかりつけ医に相談しましょう。

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