検査室だより
27.12.16 / 検査室だより / Author: kurakita
今月は、ノロウィルスについてお話したいと思います。
わずか10個のノロウィルスでも感染すると、ヒトの小腸内で急速に増殖し、1~2日間の潜伏期間を経て嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状を呈します。さらに、症状消失後も3~4日長い場合は、1~2週間もウィルスが便に排出されます。一方で、軽い風邪症状で終わったり、感染しても発症しない不顕性感染の人が30~50%もいるとされています。また、不顕性感染者でも、便1gにノロウィルス10~100万個をもっているといわれています。
・ノロウィルスの検査
当院では、便中のノロウィルス抗原をイムノクロマト法で検出する迅速診断検査を実施しています。
しかし、保険適用となるのは、
①3歳未満の患者②65歳以上の患者③悪性腫瘍の患者④臓器移植後の患者⑤抗がん剤、免疫抑制効果のある薬を投与中の患者です。
・ノロウィルスの消毒 ノロウィルスはアルコールでは不活化されないので、消毒には次亜塩素酸Na(以下ハイター)を用います。吐物、下痢便など目に見える汚染は、0.1%ハイターで消毒します。ハイターには金属腐食作用と漂白作用があるので、材質が劣化したり、色落ちしないように10分後に水拭きします。ドアノブ、手すりなど環境消毒には0.02%ハイターを使用します。 では、これらの事に注意して、良いお年をお迎え下さい。 BY検査室
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